PTFE
PTFEとは?

・PTFEは、フッ素樹脂の中で最も多く使用されており、フッ素樹脂全需要の60%を占めています。
・PTFEは、デュポン社によってテフロンという名称で商品化され、主に工業用として使われていますが、フライパンのフッ素コートなど生活の中でも見かけることができます。
・PTFEは、過酷な環境下でも使用でき、優れた特性を持っています。
PTFEの分子構造

重合度:1万~数10万
融点:327℃(成形品)
粘度:1010~1011ポイズ(380℃)
最高連続使用温度:260℃
PTFEの製品ができるまで
PTFEは溶融時の粘度が高いために、粉砕粉末を圧縮成型した後、融点以上で加熱融着(焼成)して加工成型します。
PTFEは融点以上の温度に上げると、白色不透明の状態から半透明になります。この状態はゴム状弾性体にとどまって流動性を示しません。 また、融点以下に温度が下がると、当初の白色不透明の状態に戻ります。

圧縮成型後、切削加工などで必要な形状に加工していきます。

PTFEの主な加工成形方法としては、圧縮成型法、液圧(アイソスタティック)成形法、ラム押出成形法などがあります。 詳しくは、日本弗素樹脂工業会のHPをご覧ください。
PTFEの用途
パッキン、ガスケット、バルブシート、軸受、各種電気部品、継手、ノズル、チューブ
PTFEの物性表
特性 | 単位 | 試験法 | PTFE | ||
---|---|---|---|---|---|
融点 | ℃ | JIS K6935 | 対応ISO 12086 | ASTM D4591 | 327 |
密度 | g/㎤ | K7112 | 1183 | D792 | 2.13-2.20 |
引張強さ | MPa | K7162 | 527 | D638 | 20-35 |
伸び | % | 同上 | 200-400 | ||
ロックウェル硬さ | [Rスケール] | K7202 | 2039 | D785 | R20 |
ショア硬さ | [Dスケール] | K7215 | 868 | D2240 | D50-55 |
曲げ弾性率 | GPa | K7171 | 178 | D790 | 0.53-0.58 |
引張弾性率 | GPa | K7161 | 527 | D638 | 0.40-0.60 |
動摩擦係数 | [0.69Mpa,3m/min] | K6935 | D1894 | 0.1 | |
熱伝導率 | w/m・K | A1412 | 8302 | C177 | 0.23 |
最高使用温度 | ℃ | K7226 | 2578 | 260 | |
耐アーク性 | sec | D495 | >300 | ||
吸水率 | %[24hr] | K7209 | 62 | D570 | 0.01 |
難燃性 | [3.2mm厚] | K7140 | 1210 | UL-94 | V-0 |
限界酸素指数(L01) | K6935 | 4589 | D2863 | >95 | |
耐薬品性 酸 アルカリ 有機溶剤 | D543 | 超優秀 超優秀 超優秀 |
超優秀:ほとんどの薬品、溶剤に過酷な条件下でも侵されない。
優秀:一部の薬品、溶剤には特定の条件下では使用を留意する必要がある。
秀:使用する薬品、溶剤、使用条件を詳細に検討する必要がある。
良:一部の溶剤に溶ける。
出典:日本弗素樹脂工業会 ハンドブック改訂13版
PTFEに充填材を加えることで、性能を改善することができます。